暖房器具11種の電気代を、同じ条件で計算し直しました

最終更新:2026年8月8日|執筆:瀬尾 健一

暖房器具の電気代を比べようとすると、記事ごとに単価も使用時間も消費電力の想定もバラバラで、比較になりません。
そこで11種類をすべて同じ条件(31円/kWh・1日8時間・30日)で計算し直しました。
結果、最安と最高で23倍の差がありました。

この表は出典を明記していただければ引用いただけます(許諾申請は不要です)。
出典:光熱費ラボ(https://kounetsu.lifeup-lab.com/danbou-hikaku/)
詳しくは運営者情報・引用についてをご覧ください。

暖房器具11種の電気代比較表

1日8時間・30日・31円/kWhで統一しました。安い順に並べています。

暖房器具定格稼働率実効W1時間1日
(8時間)
1ヶ月ひと冬
(4ヶ月)
こたつ(弱)80W60%48W1.5円12円357円1,428円
電気毛布50W100%50W1.6円12円372円1,488円
こたつ(強)200W60%120W3.7円30円893円3,571円
ホットカーペット2畳(中)500W100%500W15.5円124円3,720円14,880円
パネルヒーター900W60%540W16.7円134円4,018円16,070円
エアコン暖房620W100%620W19.2円154円4,613円18,451円
オイルヒーター(強)1,200W60%720W22.3円179円5,357円21,427円
電気ストーブ800W100%800W24.8円198円5,952円23,808円
カーボンヒーター900W100%900W27.9円223円6,696円26,784円
ハロゲンヒーター900W100%900W27.9円223円6,696円26,784円
セラミックファンヒーター(強)1,100W100%1,100W34.1円273円8,184円32,736円

最安のこたつ(弱)357円と、最高のセラミックファンヒーター8,184円23倍の開きがあります。
ひと冬(4ヶ月)で見ると、1,428円と32,736円で31,308円の差です。

計算の前提(ここを揃えないと比較にならない)

暖房器具の電気代が記事ごとに違うのは、次の4つが揃っていないためです。このページではすべて明示します。

前提本ページの設定根拠
電力量の単価31円/kWh全国家庭電気製品公正取引協議会の電力料金目安単価(税込・令和4年7月改定)
使用時間1日8時間・30日帰宅後から就寝までを想定
消費電力一般的な機種の目安値本体の銘板・取扱説明書に記載される定格値の代表例
稼働率器具ごとに明示(60%または100%)サーモスタットで断続運転する器具は60%、常時定格で動く器具は100%

4つ目の稼働率が最も見落とされます
こたつ・オイルヒーター・パネルヒーターは、設定温度に達すると通電を止め、下がるとまた入る動作を繰り返します。定格の電力を消費し続けているわけではありません。

一方で電気ストーブ・ハロゲン・カーボン・セラミックファンヒーターは、基本的にスイッチが入っている間は定格で動き続けます。ここを区別しないと、同じ1,000W級でも実際の電気代が倍近く変わります。

稼働率60%で計算した器具稼働率100%で計算した器具
こたつ(弱・強)/オイルヒーター/パネルヒーター電気毛布/ホットカーペット/エアコン暖房/電気ストーブ/カーボン/ハロゲン/セラミックファンヒーター

実際の稼働率は住まいの断熱性能・設定温度・外気温で変わります。60%はあくまで代表値です。
ご自身の条件で計算したい場合は、電気代計算ツールオイルヒーターの電気代(稼働率を入力できます)をお使いください。

安い3つに共通すること

上位3つはこたつ(弱)357円/電気毛布372円/こたつ(強)893円です。

共通するのは、部屋ではなく人の周りだけを暖めている点です。

  • 暖める空間が小さい——布団の中、体に触れている面だけ。数十立方メートルの空気を暖める必要がない
  • 断熱されている——布団そのものが断熱材として働くため、熱がほとんど逃げない
  • 結果として消費電力が小さい——50〜200Wで足りる

裏を返せば、その場から離れると寒いという弱点も同じ理由から来ています。
部屋の温度は上がらないため、立って動く作業には向きません。

高い3つに共通すること

下位3つはセラミックファンヒーター8,184円/カーボン・ハロゲン6,696円/電気ストーブ5,952円です。

共通するのは2点あります。

  1. 電気をそのまま熱に変えている——投入した電力を超える熱は出せません。1,100W使えば1,100W分の熱しか得られません
  2. 止まらない——サーモスタットで細かく制御する機種もありますが、基本はスイッチが入っている間ずっと定格で動きます

この2つが重なるため、消費電力がそのまま電気代に跳ね返ります。
「すぐ暖まる」という長所と、「電気代が高い」という短所は同じ仕組みから生じています。

短時間だけ使う(脱衣所・トイレ・作業前の数分)なら合理的ですが、長時間つけ続ける用途には向きません

部屋を暖める器具の中ではエアコンが最も安い

部屋全体を暖める器具だけを抜き出すと、順位はこうなります。

器具1ヶ月エアコンとの差
エアコン暖房4,613円
オイルヒーター(強)5,357円+744円
セラミックファンヒーター(強)8,184円+3,571円

※パネルヒーター(4,018円)はエアコンより安く出ていますが、これは900Wの機種を弱めに使った想定のためです。同じ部屋を同じ温度まで暖める前提では、エアコンのほうが有利になります。

エアコンが安い理由は方式の違いです。

方式仕組み投入電力に対する熱
エアコン(ヒートポンプ)外の空気から熱を集めて室内へ運ぶ投入した電力より多い熱を出せる
その他の電気暖房(電気抵抗)電気をそのまま熱に変える投入した電力と同じ熱まで

資源エネルギー庁も「エアコンは熱を運ぶポンプのような働きをする『ヒートポンプ』という仕組みで、少ないエネルギーで冷暖房を行うことができる」と説明しています。
この差は使い方の工夫では埋まりません。部屋全体を安く暖めたいなら、エアコンが構造的に有利です。

用途別の選び方

使い方向いている器具1ヶ月の目安
座って過ごす時間が長いこたつ/電気毛布357〜893円
寝るとき電気毛布372円
部屋全体を暖めるエアコン暖房4,613円
音・風・乾燥が気になる部屋オイルヒーター/パネルヒーター4,018〜5,357円
脱衣所など短時間だけセラミックファンヒーター/電気ストーブ短時間なら少額
足元だけ暖めたいホットカーペット3,720円

電気代を下げたい場合、最も効くのは「部屋を暖める器具」と「体を暖める器具」を組み合わせることです。

エアコンの設定温度を1℃下げると年間約1,650円の節約になります(資源エネルギー庁の実測値・暖房を21℃から20℃にした場合)。
こたつや電気毛布があれば、その1℃を下げても寒さを感じにくくなります。両方を足しても、セラミックファンヒーター1台より安く済みます

よくある質問

Q. 暖房器具で電気代が一番安いのは?
A. こたつ(弱・80W)が1ヶ月357円で最も安く、次いで電気毛布(50W)が372円です。
いずれも部屋ではなく人の周りだけを暖めるため、消費電力が小さく済みます。
Q. 一番高いのは?
A. セラミックファンヒーター(強・1,100W)が1ヶ月8,184円です。
最安のこたつ(弱)と比べると23倍、ひと冬では31,308円の差になります。
Q. エアコン暖房は電気代が高いのでは?
A. 部屋全体を暖める器具の中では最も安い部類です。1ヶ月4,613円で、オイルヒーター5,357円やセラミックファンヒーター8,184円より安く収まります。
外の熱を運ぶヒートポンプ方式のため、投入した電力より多くの熱を室内に持ち込めるためです。
Q. なぜ記事によって金額が違うの?
A. 前提が揃っていないためです。単価・使用時間・消費電力に加えて、サーモスタットによる断続運転(稼働率)を考慮しているかで金額が変わります。
このページでは前提をすべて明示し、同一条件で計算しています。
Q. この表を自分のサイトで使ってもいいですか?
A. 出典を明記していただければ引用いただけます。許諾申請は不要です。
「出典:光熱費ラボ(https://kounetsu.lifeup-lab.com/danbou-hikaku/)」の形でご記載ください。数値には確認日(2026年8月8日)も添えていただけると正確です。

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計算の前提(2026年8月8日確認):単価は公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会の電力料金目安単価31円/kWh(税込・令和4年7月改定)。使用時間は1日8時間・30日。ひと冬は4ヶ月として計算しています。
消費電力は一般的な機種の目安であり、機種・使用状況により変動します。
稼働率は、サーモスタットで断続運転する器具を60%、常時定格で動作する器具を100%として計算しました。実際の稼働率は住まいの断熱性能・設定温度・外気温で変わります。
石油ファンヒーター・ガスファンヒーターは灯油代・ガス代が主となるため、本表(電気代の比較)には含めていません。
本表は概算の目安としてご利用ください。
出典:全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問資源エネルギー庁 省エネポータルサイト「空調」

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